オートマとマニュアル、免許を取るならどっちがいい?
- 2021.12.14
- 運転免許豆知識
これから自動車教習所に通って、車の免許を取ろうという時、最初に迷うのは、「マニュアルで取るか、オートマ限定にするか」ということではないでしょうか。
「オートマ限定の方が簡単そうだけれど、そもそもオートマとマニュアルの違いって何?」などと疑問をお持ちの方もいらっしゃるかと思います。
そこでこの記事では、オートマとマニュアルの違いや、それぞれのメリット・デメリットを挙げ、オートマとマニュアルのどちらの免許を取ったらいいか、という疑問にお答えしていきます。
オートマとマニュアル、免許を取るならどっち?
ではまず、オートマとマニュアル、免許を取るならどちらがいいのか、というお話からしていきます。
日本ではオートマが主流
日本では現在、新車の生産・販売数の98.4%がオートマとなっています。
また、警視庁が発表した資料によると、令和元年に普通自動車免許を取得したのは1,147,056人で、そのうち768,153人がオートマ限定免許(全体の66.9%)でした。
つまり、免許を取得する人のうち3人に2人がオートマ車限定で取得しているということです。
オートマ限定免許は、マニュアルに比べ、教習所の技能講習(運転の講習)も3~4時間程度は短くなっており、卒業までの費用も1~1.5万円ぐらいは安くなります。
したがって、現在の日本ではオートマ限定を選ぶ人が多く、またそれで問題はないと言えるでしょう。
マニュアル免許が必要なケースとは
では、マニュアルの免許が必要なケースとは、どんな場合があるのでしょうか。
<1>仕事で使う場合
運送業のドライバーなど運転のプロフェッショナルとして働くなら、マニュアル免許が必要になります。
特に大型トラックやトレーラーは、今でもマニュアルが主流なので、当然のことながらマニュアル免許が必須です。
軽トラックや軽のミニバンなどもマニュアル車の場合が多いので、農業などを生業とする方にもマニュアルが必要ですね。
また、建設業の大型特殊など特別な車両を運転する仕事の人もマニュアル免許が必要になってきます。
この他、営業で外回りをする場合、営業車を使う場合があります。
現在ではほとんどがオートマ車ではありますが、マニュアル車の場合もありますので、その場合はマニュアル免許が必要です。
<2>海外で使う場合
日本では数を減らしているマニュアル車ですが、実は海外において、アメリカ以外の国では、現在でもマニュアル車が主流の国の方が、圧倒的に多いのです。
例えば、ヨーロッパでもっともオートマ車が普及しているドイツでも、オートマ車は全体の23%程度にとどまります。
海外旅行に行き、レンタカーを借りたらマニュアル車だった、という場合もあるので、注意が必要です。
<3>外車、スポーツカー、クラシックカーに乗りたい場合
日本においても、外車を買ったらマニュアル車だった、という場合もあるでしょう。
また、本格的なスポーツカーは敢えてマニュアル車であることが多いですし、クラシックカーも当然ながらマニュアル車です。
いつかこういった車に乗りたい、という夢がある場合には、マニュアル車の免許を取っておいた方がいいでしょう。
オートマとマニュアルの違い
そもそもオートマとマニュアルの違いとは何でしょう。
一番大きな違いは、ギアチェンジを運転者自身が行うかどうか、という点です。
オートマ車は、前進する際、アクセルを踏むだけで、自動的にギアチェンジされます。
それに対して、マニュアル車は、シフトレバー、アクセル、クラッチを使って、運転者が自らギアチェンジ(変速操作)を行う必要があるのです。
また、オートマ車でのエンストは滅多にありませんが、マニュアル車は変速操作を間違えるとエンストする可能性が高く、渋滞の際などは、エンストしないよう慎重な操作が必要となってきます。
この他、マニュアル車は坂道発進や縦列駐車なども操作が複雑になり、かなり難しいと言えるでしょう。
オートマのメリット・デメリット
ここでは、オートマ車のメリット・デメリットを4つずつ挙げていきます。
オートマのメリット
オートマ車のメリットは次の通りです。
- 運転操作が簡単:オートマ車は、ギアチェンジやクラッチ操作など、運転時に必要な作業が少ないので、お年寄りや運転が苦手な方も簡単に操作することができます。
- エンストしない:クラッチ操作が必要ないので発進時にエンストすることもなく安心して運転することが可能です。
- クリープ現象がある:オートマ車には、ブレーキペダルを緩めるだけで、ゆっくりとした速度で動き出す「クリープ現象」があります。
- このため、渋滞の際や坂道発進が、右足での簡単な操作だけで可能です。
- 免許取得が安くて早い:先述したように、オートマ車はマニュアル車よりも操作が簡単なため、自動車免許の技能教習時間が3~4時間少なく、また、教習料も1~2万安くなっています。
オートマのデメリット
オートマ車のデメリットは次の通りです。
- 誤発進のリスクがある:オートマ車はアクセルを踏めば自動的に発進・加速してしまうため、アクセルとブレーキの踏み間違いによって急発進する危険性があります。
- マニュアル車より燃費が悪い:オートマ車は、ギアを自動的に変える必要があるので、マニュアル車にはない部品が積まれています。その部品の重量の分だけ、そもそもマニュアル車より燃費が悪くなってしまうのです。また、構造上の関係から、オートマ車は、年式が古くトランスミッションが劣化するに比例して、燃費が悪化するということがあります。
- 修理代が高い:オートマ車は、マニュアル車に比べて構造が複雑なので、故障した際に修理代が高く、また時間もかかるというデメリットもあります。
- エンジンブレーキが利きにくい:オートマ車は、マニュアル車に比べてエンジンブレーキが利きにくく、下り坂でブレーキペダルに頼り過ぎてブレーキが利きにくくなる「フェード現象」や「ペーパーロック現象」を引き起こす危険があります。
マニュアルのメリット・デメリット
次にマニュアル車のメリット・デメリットを4つずつ挙げていきます。
マニュアルのメリット
マニュアル車のメリットは次の通りです。
- 車を運転している実感が得られやすい:その場の状況に応じて自分でギアチェンジを行うマニュアル車は、車を自分で操っているという感覚が得られます。両手両足でギアやクラッチを切り替えながら車をコントロールし、軽快な走りを体感できる楽しさは、マニュアル車ならの魅力です。
- オートマ車より燃費がいい:適切なタイミングでギアチェンジを行うことができるようになると、無駄なエネルギーを使わずに済み、燃費を向上させることができます。また、車体がオートマ車に比べて軽いので、その分ガソリンの使用量も少なくて済みます。
- オートマ車も運転できる:マニュアル免許を取っておくと、マニュアル車とオートマ車、どちらも運転できるというのもメリットです。主流のオートマ車全般に加え、スポーツカーやクラシックカーなども運転できるため、乗れる車種が圧倒的に増え、好きな車が選べるようになります。
- 故障のリスクが少ない:マニュアル車は、オートマ車に比べて構造がシンプルなので、故障のリスクが少なく、また故障した時も原因を突き止めやすいというメリットがあります。
マニュアルのデメリット
マニュアル車のデメリットは次の通りです。
- 操作が複雑で難しい:マニュアル車は、左手でシフト操作、左足でクラッチ操作が必要であり、運転操作が煩雑で難しいので、運転するのが面倒になるというのが、一番のデメリットでしょう。
- エンストしやすい:発進時に、半クラッチ状態からのスムーズな発進を行わないと、エンストしてしまったり、ガクンガクンとぎこちない発進になったりします。
- 坂道発進や渋滞時が大変:マニュアル車にはクリープ現象がないため、渋滞時には、頻繁にクラッチ操作が必要になります。また、坂道発進ではサイドブレーキを使用し、半クラッチ状態でサイドブレーキを戻すなどの運転技術が求められ、細心の注意が必要になります。
- 免許取得にオートマ車より期間や料金がかかり、合格率も低い:マニュアル免許はそもそもオートマ限定より教習時間が長く、料金も割高になります。これに加えて、操作が難しく仮免や卒業検定に合格する確率も低いため、追加教習の料金がかかってしまうことが多いです。
どちらを取るかは目的やライフスタイルに合わせて選ぼう!
以上、オートマ車とマニュアル車の違いやメリット・デメリットをお伝えしてきました。
オートマ車は免許取得が楽ですし、今の日本ではそれで充分とも言えますが、仕事で使う場合や、車や運転にこだわる方は、マニュアル免許の方が向いていると言えます。
どちらを取るかは、自分の運転免許取得の目的や、ライフスタイルに合わせて決めましょう。
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Author:小野尾 光 投稿一覧
1979年、五井自動車教習所に取締役として入社。
- 教習指導員資格保有
- 年間読書数200冊
- 千葉県船橋市出身
- 愛車はトヨタ エスクァイア マルチ ユーティリティ