社用車をお持ちの企業は要注意!新入社員が起こしやすい交通事故は?
- 2023.03.14
- 運転免許豆知識
社用車を持つ企業が心配なことと言えば、社員による交通事故でしょう。
特に4月は、運転にまだ慣れていない新入社員の交通事故が増えやすい時期でもあります。
今回は、新入社員が起こしやすい交通事故の原因と、企業側で行っておくべき交通事故対策ご紹介します。
新入社員が自主的に行うものから、企業主導で行える対策もあるので、ぜひ参考にしてみてください。
【はじめに】社用車を持つ企業が抱えるコンプライアンス・リスク
社員さんが運転するマナーや交通ルールの遵守については、第三者はとても厳しく見ている傾向があります。
たとえ事故を起こさなかったとしても、交通ルールへの違反やマナーの逸脱には注意が必要でしょう。
会社の名前が書かれた営業車でルールやマナーに反した運転を行った場合、近隣の方からのクレームや、インターネットでの悪い口コミ、ひいては企業ブランドの毀損などと、損害賠償以外にも大きなコンプライアンスリスクを負うことになります。
社会は、企業の看板を背負った車の運転については厳しい目を向けているということを忘れてはなりません。
16~24歳が起こしやすい交通事故の原因TOP3
次に、新入社員が起こしやすい交通事故や違反の例を見ていきます。
新入社員の年齢はだいたい10代後半~20代前半です。
警視庁交通局が公表している「令和4年中の交通事故の発生状況」によれば、16~24歳の若者ドライバーが起こした事故の原因の約7割以上が安全運転義務違反となっています。
安全運転義務違反の中でも最も多いのが「安全不確認」で、2番目に多いのが「脇見運転」、そして「動静不注視」と続きます。
それぞれ具体的にどのような違反なのかを見ていきましょう。
第3位:動静不注視
動静不注視とは、相手の車両の存在をあらかじめ認識していたが、相手の動きの判断を見誤り事故となった、というものです。
例えば、交差点で右折する際に、対向車が譲ってくれるだろうと思い込み、直進する車にぶつかってしまった、というのが動静不注視の典型的な例です。
別名「だろう運転」とも呼ばれます。
だろう運転がダメであることは、教習所で何度も教わることですが、少しの気の緩みから「だろう運転」をしてしまい、事故を起こす若者が多いので、十分注意しましょう。
第2位:わき見運転
わき見運転とは、その名の通り、運転中に前方から目を離して安全確認を怠る運転のことです。
例えば、走行中にダッシュボードから落ちたものを拾おうとして、前方から目を逸らしてしまったり、周りの風景に気を取られてしまったりするなどが、わき見運転の典型的な例です。
特に、近年問題になっているのがスマホによるわき見運転です。
運転中にスマホが気になるのわ分かりますが、どんなことがあっても運転中に携帯電話・スマホを使用してはいけません。
社内で教育を徹底したり、社用車にスマホホルダーなど、ワイヤレスで通話ができるような機器を設置するなど、スマホを見ながらのわき見運転が発生しにくい状況を整備することが重要です。
第1位:安全不確認
安全不確認とは、一般的に前方・後方不確認、左右不確認と呼ばれるものです。
例えば、交差点右折時に左側の歩行者に気を取られ、右折先の歩行者に気付かず事故になってしまったなどが典型的な例です。
視野を広く持ち、気を抜かずに安全確認を常に行うことで、事故を防ぐことができます。
新入社員が交通事故を起こしやすい理由
新入社員が交通事故を起こしやすいのは、運転経験の浅さや、新入社員が抱える不安や緊張などが主な理由です。
なぜ侵入社員が交通事故を起こしやすいのか、その理由を1つひとつ詳しく見ていきましょう。
【理由1】運転経験が浅い
新入社員の平均年齢は10代後半から20代前半です。
新入社員は、年齢がそもそも若いため、他の社員と比べると、運転経験はどうしても浅くなってしまいます。
普通運転免許を取得できるのは18歳からですが、学生のうちは通学などに使わない限りは、乗る機会は少ないと言えます。
公共交通機関が揃っている都会ではなおさらその傾向が顕著です。
また、新入社員になって初めて本格的に車を運転したという人も多いのが実情です。
このような運転経験の浅さが、交通事故を起こしやすい最大の原因と言えます。
【理由2】ペーパードライバーが多い
学生のうちは本人確認書類のためや、時間があるから、という理由で免許を取得する方も多いはずです。
そうした方は機会がなければ全く運転をしないので、ペーパードライバーのまま就職してしまいます。
通学などの関係で日常的に車に乗っていたり、車を所有していない限り、学生が車を使う機会はそもそも限られています。
そのため、新入社員は圧倒的にペーパードライバーが多い傾向があります。
このように、そもそも運転経験がほとんどないペーパードライバーの割合が多いことも、新入社員の事故が多い原因の1つと言えます。
【理由3】新入社員には不安や緊張がある
運転経験が浅いまま、仕事で車を運転しなくてはならなくなった場合、不安や緊張を抱えたまま運転しなくてはなりません。
そういった状態での運転の場合、通常よりも注意力は下がるでしょうし、安全確認も怠ってしまう可能性も高くなります。
また、運転に関する不安だけでなく、出先で上手く仕事を行えるか、という仕事自体に関する不安・緊張も抱えている可能性があります。
年齢が上がれば「いつものようにやれば大丈夫」という心の余裕が出てくるのですが、新入社員には「いつも通り」がまだありません。
新入社員は、運転に関する面、仕事に関する面、どちらにも不安と緊張があるため、精神的な不安定さによる注意散漫や不注意によって事故を起こしやすいと考えられます。
新入社員に交通事故を起こさないために企業が出来ること
もちろん、新入社員自体が運転時に安全を意識することも重要ですが、新入社員の交通事故を防ぐために企業側が努力することも重要です。
具体的には次の5つのことを実践してみましょう。
【1】運転に慣れるまでは同乗する
新入社員が運転に慣れるまでは、先輩社員が同乗すると良いでしょう。
その際、安全確認すべき対象を教えたり、実際に自分が体験したヒヤッとした出来事を話したりしてあげると参考になりますし、運転にも身が入ります。
新入社員は経験が少ない分、危ないと感じた運転経験もあまり多くありません。
常に危険が潜んでいるかもしれない、「かもしれない運転」の徹底や、先の危険を予測して運転するように指導しましょう。
【2】声を出して安全確認を行わせる
声出し確認は、安全確認すべき対象をはっきりと意識させる手助けになります。
運転の初めのうちは、普段から安全確認をしているつもりでも、一目見ただけで確認を済ませてしまうこともあるでしょう。
声に出して耳からも安全を確認すると、よりしっかりと確認ができます。
対向車が来ないことを確認したら「対向車よし」、周囲に人がいないことを確認出来たら「歩行者よし」と、最初は声に出して安全確認を行わせるようにしましょう。
【3】運転に集中できる環境をつくる
運転中に目がいきやすいのが携帯電話(スマホ)とカーナビです。
これらを使うときは、安全な場所に車を止めてから操作するように義務付けましょう。
また、運転中に携帯電話(スマホ)の着信音がなると運転から注意がそれてしまう可能性があります。
運転中はドライブモードに設定することを義務付けるなど、運転に集中できるようなルールを設定して、徹底させることが重要です。
また、ダッシュボードに物を置いていると、ブレーキを踏んだ時などに落ちてしまうことがあります。
物を拾おうとして目を離した瞬間に事故を起こしてしまうこともあるので、ダッシュボードにはものを置かないように徹底させましょう。
【4】時間に余裕を持ったスケジュールを立てる
運転に不慣れなうえ、訪問する経路を把握していなかったり、時間の余裕が無くなってしまったりすると、必要以上に焦ってしまいます。
そういう焦りがあるときは、相手の動きを見過ごしたり、運転操作を誤ったりして事故を起こしやすくなります。
新入社員の場合には、特に時間に余裕をもった訪問スケジュールを立て、早めに出発するように指導しましょう。
→新入社員に安全運転を指導して企業ドライバーとして活躍して貰う方法
会社に慣れるまで新入社員を車に乗せないのも一つの手
ここまで、新入社員が起こしやすい交通事故の原因と、企業が出来る対策方法をご紹介していきました。
新入社員はまず仕事に不慣れです。
また、運転にも慣れていないので、仕事に慣れるまでは車の運転はさせないというのも一つの手です。
とはいえ、仕事上、運転が必須な場合もあると思います。
どうしても運転をさせないといけない場合は事前に安全運転に関するルールを作成し、指導や教育を徹底するなど、対策をしっかり行っておきましょう。
新入社員個人の責任にするのではなく、会社として新入社員の運転技術をフォローしてくのが企業としての責任です。
また、五井自動車教習所では企業運転力診断講習を通して新入社員の方向けに企業ドライバーとして安心・安全に運転していただくための講習活動を行っております。
社員による交通事故や違反を未然に防ぎ、企業としてのリスクに備えるためにも、ぜひ受講ください!
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Author:小野尾 光 投稿一覧
1979年、五井自動車教習所に取締役として入社。
- 教習指導員資格保有
- 年間読書数200冊
- 千葉県船橋市出身
- 愛車はトヨタ エスクァイア マルチ ユーティリティ